COLUMN
東濃の製造業ホームページが引き合いを生まない3つの理由
「うちのホームページ、作ったきり何の問い合わせもないんだよね」——土岐や多治見の製造業の社長さんと話していると、ほぼ必ず出てくる悩みです。会社案内をそのままWebに置いただけ、製品写真と仕様表を並べただけ。いわゆるカタログ的なサイトのまま、5年、10年と放置されているケースは東濃エリアでも本当に多い。
私たちFUTSUは岐阜県土岐市のWeb制作会社として、地元の金属加工、窯業、樹脂成形、装置メーカーなど、さまざまな製造業のサイト制作に関わってきました。その経験から言えるのは、BtoBの製造業サイトが引き合いを生まない原因は、デザインの古さよりも「設計の視点が抜けていること」にあるということです。
この記事では、カタログで終わるサイトを脱却するための3つの設計視点を、東濃の現場で得た具体例を交えて整理します。
なぜ製造業のホームページは「カタログ」で終わるのか
中小製造業のサイトが「カタログ的」になるのには、はっきりした理由があります。多くの場合、サイトの目次が「自分たちが説明したい順番」で組まれているからです。会社概要、沿革、社長挨拶、設備一覧、製品ラインナップ、アクセス——昔の会社案内パンフレットをそのまま並べた構成ですね。
一方で、サイトを見に来る人——例えば名古屋の装置メーカーの調達担当が、図面の試作先を探しているとします。彼が知りたいのは「うちのこの図面、対応できますか?」という一点です。沿革も社長挨拶も、判断材料としては優先度が低い。
- 製品写真は載っているが、加工サイズや材質の範囲が書かれていない
- 「高品質」「短納期」と書いてあるだけで、何分・何日なのか分からない
- 問い合わせフォームが汎用的で、添付ファイルが送れない
この3つだけで、せっかく訪問しても問い合わせに至らない確率はぐっと上がります。BtoBの製造業サイトは、見栄えより「相手の判断を助ける情報設計」が要だと、私たちは考えています。
視点1:誰のどんな課題を解くサイトか、を1行で書く
トップページの一番上に何を書くか。これが引き合いを生むかどうかの分岐点です。「○○工業株式会社」と社名だけ、あるいは工場の写真にスローガンが乗っているだけのサイトをよく見ますが、訪問者は3秒で「ここが自分の探していた会社か」を判断します。
そこで効くのが1行ステートメントです。「誰の」「どんな課題を」「どう解くか」を埋めるだけ。例えば——
- 「半導体製造装置メーカー様の少量試作を、1個から5営業日で対応する精密切削加工」
- 「食品工場のステンレス架台を、図面なしの現場採寸から設計製作」
- 「美濃焼の窯元向け、小ロット1,000個からのオリジナル販促ノベルティ」
具体的であればあるほど、合わない問い合わせは減り、合う問い合わせは増える。「幅広く対応します」と書きたくなる気持ちは分かりますが、それは検索する側からすると何の手がかりにもならないのです。
視点2:判断材料を「事例」と「数字」で揃える
「実績豊富」と書くより、実績そのものを1件ずつ並べる方が100倍効きます。BtoBの調達担当は、似た案件を過去にこなしているかを確認したいだけだからです。
事例ページに揃えるべき項目は、最低5つ。業界・用途、材質・サイズ、ロット・納期、工夫した点、結果(数値)です。守秘義務がある場合は社名を伏せて構いません。「自動車部品メーカーA社様」で十分機能します。
瑞浪市のある金属加工会社さんで、事例を15件きちんと書き出してサイトに載せたところ、半年で月の問い合わせ件数が2件から9件に増えました。新しい設備を入れたわけでも広告を出したわけでもなく、ただ「持っているものを書き出した」だけです。
数字も同じです。「短納期対応」ではなく「最短3営業日」、「小ロット対応」ではなく「1個から」、「高精度」ではなく「公差±0.01mm」。具体的な数字は、それだけで信頼の材料になります。
視点3:問い合わせの「最初の一歩」を軽くする
「お問い合わせはこちら」のボタンが1個だけ、というサイトは多いです。でも考えてみてください。初めて訪れた会社にいきなり正式な相談を投げかけるのは、相手にとってもハードルが高い。
そこで、入り口を軽・中・重の3段階に分けます。
- 軽:加工事例集のPDFダウンロード(メールアドレスだけで取得可)
- 中:図面を添付しての概算見積依頼(フォームで完結)
- 重:工場見学・正式見積(電話または詳細記入)
特に「中」の図面添付フォームは製造業サイトに必須だと私たちは考えています。CADデータやPDFを直接送れれば、電話で説明しなくて済む。発注側の担当者は楽だし、受注側も内容を社内で回しやすい。これだけで問い合わせのハードルは大きく下がります。
資料ダウンロードを置いておけば、まだ発注先を決めていない検討初期の人にもリーチできます。土岐や恵那の製造業で、こうした多段階の入り口を整えている会社はまだ少ない。だからこそ、整えれば差がつきます。
小さく始めて、運用で育てる
ここまで読んで「うちもフルリニューアルしないと」と感じた方もいるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。多くの場合、既存サイトに事例ページと図面添付フォームを足すだけで手応えは出ます。
私たちが東濃の中小製造業のお客様とお話するときも、いきなり全部作り直す提案はしません。まずトップの1行を書き直し、次に事例を3件書き起こす。その反応を見てから、必要なら全面リニューアルに進む。サイトは作って終わりではなく、運用で育てるものだからです。
事例が増えれば、それ自体が検索に引っかかる入り口になります。「ステンレス 架台 製作 岐阜」「セラミック 試作 東濃」といった具体的なキーワードで上位に出るのは、抽象的なトップページではなく、具体的な事例ページです。
お気軽にご相談ください
株式会社FUTSUは岐阜県土岐市を拠点に、東濃地方(多治見・瑞浪・恵那・中津川)と名古屋圏の中小企業のWeb制作・運用を手がけています。製造業のサイトについては、いきなりのフルリニューアルではなく、今あるサイトの改善ポイントを一緒に洗い出すところから始めることが多いです。
「事例ページをどう書き起こせばいいか」「図面添付フォームを既存サイトに追加できるか」「そもそも何から手を付けたらいいか分からない」——どんな段階のご相談でも構いません。お問い合わせフォーム、または無料お見積もりページからお気軽にご連絡ください。土岐の近くであれば、工場へ伺って現場を見ながらお話しすることもできます。
「NOT JUST DESIGN.」——私たちは見た目を整えるだけのデザインではなく、引き合いという結果につながる設計を大切にしています。