COLUMN

月次エクセル集計をAIに任せる|マクロなしで効率化

エクセルの月次集計をAIで自動化する図解イメージ

月初の数日、Excelの前で電卓を叩き、部署別の売上や経費をまとめる——。東濃エリアの中小企業を回っていると、この光景をいまだによく見ます。「マクロを覚える時間がない」「関数は苦手」「でも毎月やらないと締められない」。そんな担当者の方に伝えたいのは、2025年のいま、マクロや関数を覚えなくてもAIに日本語で頼めば集計できるという事実です。

この記事では、月次集計を題材に、AIへの具体的な指示の書き方、間違いやすいポイントの検算方法、そして精度を上げる「表の下ごしらえ」まで、土岐市の制作会社FUTSUが実際に使っている手順で解説します。

なぜ関数もマクロも覚えなくていいのか

従来のやり方AIに頼むやり方SUMIFやピボットを覚えるマクロを書いて保守する属人化して引き継げない日本語で指示を書くだけ結果とコードの両方が出る指示文が引継ぎ資料になる
関数を覚える手間が、日本語での指示に置き換わる

ChatGPTやClaudeのようなAIは、Excelファイルを直接アップロードして「部署別・月別の売上を集計して」と頼むと、その場で表を出してくれます。裏でPythonなどのプログラムを動かしているのですが、使う側はコードを一切書かなくていいのがポイントです。

私たちFUTSUでも、社内の経費集計や工数の月次まとめは、関数もマクロも使わずAIに投げるスタイルに変えました。関数を覚える学習コストが、日本語の指示文を書く時間に置き換わっただけ、と考えると分かりやすいはずです。

実際の指示文(プロンプト)の書き方

伝わる指示文の4要素1. 何のデータか例:2024年10月の売上明細列は日付 部署 金額2. 何を出したいか例:部署別の合計金額を金額が大きい順に3. 除外条件例:金額が空欄の行やキャンセル分は除く4. 出力形式例:Excelでダウンロードできる形にして
この4つを埋めれば、AIへの指示は8割成功する

よくある「なんかうまく集計してくれない」の原因は、指示文が曖昧なことです。以下の4つを埋めるつもりで書くと、精度が一気に上がります。

指示文の例:
添付のExcelは2024年10月の売上明細です。列はA:日付、B:担当部署、C:顧客名、D:税抜金額、E:ステータスです。
ステータスが「キャンセル」の行と、D列が空欄の行は除いて、部署別の合計金額を金額の大きい順で表にしてください。
結果は新しいExcelファイルとしてダウンロードできる形で出してください。

ポイントは列の中身を最初に説明することです。AIは列名だけでは「担当部署」と「請求部署」の違いを推測できません。他にも「経費科目ごとの月次推移を折れ線グラフにして」「取引先別に前年同月比を出して」など、日本語で頼めるのはSUMIFやピボットで書ける範囲すべて、と考えて構いません。

AIが間違いやすいポイントと検算

提出前の検算チェック元データの行数と集計対象の行数が一致するか全体合計を元データのSUMと突き合わせたか除外した行の件数がAIの回答文に書かれているか部署名や科目名の表記ゆれが名寄せされているか日付が文字列と日付形式で混在していないか
この5点だけは毎回目視で確認する

AIは万能ではありません。私たちが実際にヒヤッとしたケースを挙げると、こんなものがあります。

  • 表記ゆれの見落とし:「営業部」と「営業部 」(末尾スペース)を別部署として集計してしまう
  • 日付の誤認識:「2024/10/1」と「2024-10-01」が混在していると片方を無視することがある
  • 合計行を巻き込む:明細の最下行にある「合計」行まで集計に含めて、金額が2倍になる

対策はシンプルで、AIに「対象行数」「合計値」「除外した行の件数」を必ず回答に含めさせること。指示文の末尾に「集計した行数と全体合計も教えてください」と書き足すだけで、検算が一気にラクになります。元データのD列をExcelでSUM関数(これだけは覚える価値あり)で合計し、AIの回答と一致するか確認する——この一手間だけは省かないでください。

精度を上げる「表の下ごしらえ」

渡す前の3ステップSTEP 1結合セルをすべて解除するSTEP 21行目に列名2行目からデータSTEP 3小計 合計行を別シートに分ける形をそろえるだけで、AIの回答精度は目に見えて上がる
データ整形はAI活用の8割を決める下準備

AI集計で失敗する最大の原因は、実は指示文でも検算でもなく表そのものの形です。人間が見やすいように作られた表は、AIにとっては読みにくい。以下の3点を直すだけで、精度が体感で大きく変わります。

  • 結合セルを解除する:「部署」列で「営業部」がセル結合されていると、AIは2行目以降を空欄と読む
  • 1行目を列名、2行目以降をデータに統一:タイトルやメモを表の上に書かない(別シートに退避)
  • 小計行・合計行を混ぜない:明細シートと集計シートを分け、明細には純粋なデータだけ

私たちが土岐市や多治見市の会社で業務改善のお手伝いをする際も、最初の数時間はこの「表の形をそろえる」作業に使うことがほとんどです。逆に言うと、ここさえ整えれば、あとは日本語で指示するだけで月次集計は終わるということでもあります。AIの導入そのものに関心がある方は、岐阜・東濃のAI導入支援のページも参考にしてください。

お気軽にご相談ください

無料AI業務診断の流れ1作業の棚卸し2AI適性の判定3優先順位を提案「まずどこから手を付けるか」がその場で見えます
診断だけの利用でも構いません

月次集計以外にも、見積書の作成、請求書の突合、日報の集約、FAX注文書の入力——事務作業には「日本語でAIに頼めば済むもの」がまだたくさん眠っています。ただし、どの作業から手を付けるかを間違えると、時間だけかかって成果が出ません。

株式会社FUTSUでは、自社の業務をAIで回している現場感をベースに、どの作業がAIでラクになるかを無料で診断しています。土岐市・多治見市・瑞浪市・恵那市・中津川市など東濃エリアはもちろん、名古屋圏の中小企業からのご相談も歓迎です。「Excelのこの集計、AIでできますか?」レベルの質問から、お気軽にどうぞ。詳しくは無料AI業務診断のページをご覧いただくか、お問い合わせフォームからご連絡ください。AI開発全般についてはAI開発サービスのページも用意しています。

記事一覧へ