COLUMN
瑞浪の窯業原料メーカー|新規開拓につなぐ技術発信
瑞浪市には、陶磁器の原料調製、坏土(はいど)、釉薬、耐火材、素地用鉱物といった窯業のサプライチェーンを支える会社が多く残っています。ところが「うちが何を作っているか、外の会社にはほぼ伝わっていない」——そんな声を、東濃の現場でよく聞きます。既存の卸先や商社経由の取引が細っていくなかで、新しい引き合いをどう作るか。今回は、原料・素材系のBtoBが取り組める技術発信について、私たちFUTSUが土岐市から見えている現場感を交えてまとめます。
なぜ「何ができる会社か」が外から見えないのか
原料や素材のBtoBでよく起きているのは、社内に蓄積された技術情報と、外に出ている情報の量が桁違いに違うという状態です。長年の取引先とは電話一本で伝わることでも、初めて調べに来た他業界の技術者からすると「この会社が何を扱えるのか判断できない」。結果、検索でも比較検討でも土俵に上がれません。
たとえば次のような情報は、社内では当たり前でも、外にはほとんど出ていません。
- 取り扱える原料の種類と粒度・純度のレンジ
- 試作対応の最小ロットとリードタイム
- 過去に納入した用途(衛生陶器・タイル・ファインセラミックス・耐火物など)
技術情報をWebに出すと何が変わるか
私たちFUTSUが東濃の製造業と話していて感じるのは、「営業が動く前に、Webで半分決まっている」案件が確実に増えているということです。特に原料・素材の切り替え検討は、購買部門ではなく開発・技術部門が主導するケースが多く、彼らは必ず検索から入ります。
技術情報をWebに出すことで、次のような変化が起きます。
- 「〇〇の耐火度で△△メッシュ」といった具体条件で検索されて見つかる
- 問い合わせ時点で相手が下調べを終えているので、商談が早い
- 既存顧客の後任担当者に「うちは何ができる会社か」を再確認してもらえる
瑞浪市エリアでの制作事例や対応範囲は瑞浪市向けページでもまとめています。
出すべき3種類のコンテンツ
技術発信といっても、いきなり全部やる必要はありません。優先度が高いのは次の3つです。
1. 技術資料(取扱原料の一覧と規格)
たとえば「木節粘土・蛙目粘土・長石・珪石」といった扱い品目ごとに、粒度、化学組成、含水率、包装単位を一覧にする。PDFでも構いませんが、Webページに書き起こしておくと検索でヒットします。
2. 試験データ(焼成・物性)
自社での焼成試験、粒度分布、熱膨張などのデータ。競合他社の同種原料との比較でなくても、自社標準品のデータを公開するだけで十分価値があります。技術者は「数字があるかどうか」で信頼度を測ります。
3. 用途事例(どんな最終製品で使われているか)
守秘義務があるので社名は伏せてよいのですが、「衛生陶器のボディ用として採用」「業務用タイルの釉薬原料として長期採用」「電子部品向けセラミックスの試作案件で採用」など、用途カテゴリだけでも書くと、同じ用途を探している技術者に届きます。
情報公開の線引きをどう決めるか
「技術を出すと真似される」というのは、経営者から必ず出る不安です。ここは冷静に線を引きましょう。目安はシンプルで、「一般的な規格値」は全公開、「配合や工程のノウハウ」は非公開、「詳細な試験レポート」は問い合わせフォーム経由でダウンロードという3層にすると管理しやすい。
たとえば、粒度分布のグラフや化学組成表は、多くの原料メーカーがすでに規格として提示している範囲。ここを隠しても差別化にはならず、むしろ「情報を出せない会社」と見なされます。一方、独自ブレンドの配合比率や、特定顧客のためのカスタム条件は絶対に出さない。この線引きさえ社内で合意できれば、発信のスピードは一気に上がります。
小さく始める運用ステップ
現実問題として、原料メーカーの現場に「Web担当専任」を置くのは難しい。だからこそ、月1本ペースで無理なく続けられる仕組みが必要です。私たちFUTSUが東濃の製造業と組むときは、次のような立ち上げをよく提案します。
- 1ヶ月目:情報棚卸し——営業と技術それぞれから「よく聞かれる質問」「渡している紙資料」を集める
- 2ヶ月目:基幹ページ化——取扱原料一覧・試験データ・用途カテゴリの3ページを整える
- 3ヶ月目:事例追加——匿名でよいので納入事例を1〜3本追加、問い合わせフォームを整備
- 継続——月1本、新しい試験結果や用途例を追加する運用に落とす
大事なのは、最初から完璧を目指さないこと。原料の一覧だけでも公開されている状態と、会社概要しかない状態では、検索での見え方がまったく違います。
お気軽にご相談ください
株式会社FUTSUは岐阜県土岐市を拠点に、東濃の製造業のWeb制作と情報発信を支援しています。「技術情報をWebに出したいが、何をどこまで載せてよいか判断が難しい」「既存サイトはあるが、原料や試験データが載っていない」——そうしたご相談は、瑞浪・多治見・恵那の窯業関連企業からもよくいただきます。
現状のサイトを拝見しての改善提案から、ゼロからのリニューアルまで対応可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。概算のご予算感を知りたい方は無料見積もりからどうぞ。過去の制作例は制作実績でもご覧いただけます。